日々の暮らしや映画・本の感想などを
マイペースに綴っていきたいと思います。
感想文は大体ネタバレしています。
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時計館の殺人
JUGEMテーマ:自分が読んだ本


【綾辻行人 講談社文庫】

最近感想文ばかり更新していますね。。
ということで館シリーズ五作目。
新装改訂版は上下巻とは知らなかった。旧文庫版は分厚いけど1冊なので。

公式あらすじ。
鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島(つのじま)・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内では恐るべき殺人劇の幕が上がる! 不朽の名作、満を持しての新装改訂版。(上巻)


いわくつきの館を訪れた人々が閉ざされた館内で連続殺人に遭遇するという、直球 ストレートの本格ミステリ。原点回帰といいますか、シチュエーションも十角館に通じるものがありますし、何より十角館以来の江南君の登場が嬉しいです。

旧館で起こる出来事の描写は十角館のときとは比べ物にならない緊迫感。
閉じ込められた旧館内部での描写も、一人また一人と正気を失っていく様子もただただ怖い。時計って一斉に鐘が鳴ったらぞっとするだろうなあ。

日本推理作家協会賞も受賞し館シリーズでは傑作と評されている方も多いですね。
これまでで一番複雑な見取り図、建物の壮大なからくり仕掛け、用意された驚愕の真相と結末・・と盛りだくさんなわけですが、実は私はそれほど衝撃は受けなかったです。

その理由はネタバレになるので折りたたみますね。

■■■■■■■


私はミステリには「真犯人が誰なのかという推理」に面白さの比重を置いています。
その犯人が予想外の、あっと驚く人であればあるほど「快感」なわけなのですが。
そういう意味では、本作は割と早い段階で旧館で起こる殺人の真犯人がほぼ二人に絞れてしまいます。

十角館の場合も似ていますが、このときは内部犯行を疑う余地があったし「中村青司」が生きているかも?という選択肢もあったわけですが、時計館では消えた霊媒師がいるとはいえ、内部犯行を疑う余地がほぼありません。
となると、必然的に新館にいるどちらかの人物に絞られてしまうわけで。私はもしかしたら共犯(入れ替わり)か指示してやらせている可能性を考えていたので、まさかの単独犯というのは驚きでしたが。

過去の少女の死についても途中で気づけてしまう気がします。
これに気づいてしまうとメインのトリックにもすぐに行き着いてしまう。「時計館」と謳われているので、どうしても・・・ですね。

ただ、ストーリーテラーの真骨頂という感じで、読者にどんどん読ませてしまう力はとても感じます。本当にストーリーは面白いし伏線もよくできているし回収もお見事、とても緻密な作品です。
けれど、どんでん返しとか騙された!といった衝撃を受けるようなオチはないです。
全てにおいて王道だなと思います。

最後に。
時計館では江南君が再登場しますが、出版社に就職したことで島田さんのことを終始「鹿谷さん」呼びでちょっと寂しい。江南君にとってはずっと「島田さん」でいてほしかった。
なので、江南君が発見されたときに「島田さん」と呼んだのは嬉しかったです。

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